2〇〇1年 3月のカメラマン平のぶらぶら日記

3/28
高校野球が始まり、家の前の公園のサクラが咲き、鰹のたたきと冷や奴がおいしくなってきて春が来たのを実感する。アメリカでは新庄がホームランを打ち、阪神タイガースが西宮神社で最下位脱出のお払いをしてもらい、プロ野球も開幕する。(パリーグは開幕済み)春が来たな〜。
春の楽しみはやはりタイガースである。春になると今年こそは、今年こそはと毎年のように思うのだが、夏頃になると来年こそは、来年こそはと思いは変わるのである。なんとか今年は盆ぐらいまで楽しませて欲しいと思っているのだが甘いだろうか?
しかし今年は大リーグの新庄の活躍も楽しみであり、イチローもどれだけやれるか?などなど野球好きの僕には楽しみな一年になりそうである。個人的には新庄に頑張って欲しいのだが・・・・来年、タイガースに帰ってくるようじゃ、いくら新庄でもカッコ悪すぎるから、せめて3年ぐらいはむこうでプレイするように、がんばれよ!剛!

3/20
だんだんと暖かくなってきて、だんだん花粉も増えてきたようで、鼻水とくしゃみがひどくなってきた。
ごはんを食べてもあまり味を感じないし、酒を飲んでもあまり味を感じない、が酔うのはいつもと同じだ。タバコもおいしくない、が吸っている。あと2ヶ月ほど続くのかと思うと、とても辛いのである。エストモは「身体の中に回虫を飼えば治る」と言っているが、回虫よりは花粉症の方がまだましかなと思うのですが・・・・・
先週は、月曜日3月のポストカードを送った。野良猫ツルは「ガンバルニャン!」とでも言いそうなグッドな表情でとてもよかった。
火曜日、西宮浜の方にスナップ撮影に出かける。この辺にはよく行くのだが、その日もとても綺麗な夕日が見られた。
水曜日、大阪のマンション下見。
木曜日、大阪に届け物してからスナップ。
金曜日、芦屋の別荘撮影、山の中にあるその別荘はとてもすがすがしかったが、くしゃみと鼻水がとてもひどかった。
土曜日、写真の整理。
日曜日、芦屋に住宅作家展に行く。
今週月曜日、大阪のマンション撮影。
火曜日、芦屋の別荘撮影2回目。
以上、花粉症に苦しむタイラの一週間でした。

3/12
先週の月曜日に万博公園に行ってきた。目的はもちろん岡本太郎の「太陽の塔」である。
万博当時、小学生だった僕はその塔を見て「すげ〜でけ〜、ウルトラセブンのエレキングみてーじゃー」と、その大きさと形にビックリしたことを覚えている。
あの時から30年、久々に間近で見る太陽の塔は小学生だったころと同じ感動を僕に与えてくれる。ワクワクする、ドキドキする、とてもいいのである。
さすが前衛、岡本太郎、まったく古くなってない!いいもん残してくれました。それとこの塔を残すよう努力して下さった人々に感謝、感謝です。
僕はこの太陽の塔こそ大阪が、いや日本が世界に誇れる現代芸術ではないかと思うのです。
通天閣やヘップファイブの観覧車もいいのですがやはり大阪で一番の構造物と言ったらこの「太陽の塔」でしょ!もっと、もっと有名になってもいいと思うのですが。
この塔をなぜこんなにいいと思うのか?また自分なりに分析してみると・・・・・
まず大きさと形、そしてなによりこの塔がただ観る為だけに存在していること。このことが大きなポイントではないだろうか。
この様な大きな物体には寺院や仏像などがあるが、それらには物を入れるとか拝むと言った何らかの役目とか目的があるのだが、この塔は拝まれるわけでもなく、人が住むでもなく、ただ観られる為だけにあるのである。観られることを除いては何の役にもたたないのである。それはどういう事なのか?その事こそ、ゲ・イ・ジ・ュ・ツの持つ本当の姿ではなかろうか。観て感じる為だけの役にたたない物。ある意味では無用の物。そんな物を芸術家は悩み、苦しみ、爆発し、命を削りながら自分だけの精神の形を創っていく。そうして創られたものは、まず見る人に「何?」という思考を働かさせる前に身体に衝撃を感じさせるのである、つまり脳より心臓のほうが早く感じるのである。
そんなものが芸術と呼ばれるものなのではないだろうか。ウーンよくわからんようにになってきたので、また考えときます。
ただエキスポランド越しに見える菊竹清訓のエキスポタワーがやけに古く感じるのは僕だけでしょうか、そのへんに芸術とはなんぞや?というヒントが隠されているのではないでしょうか。

一緒に行ったエストモはエジプト展に一人で行っていました。この人は黄金マスクとかスカラベとかミイラみたいな古代ものがとても好きみたいで、その系の展覧会があったらよく行きますが、僕はいまいち好きになれないのです。
エジプト展を見たエストモの感想「古代エジプト人も現代人も同じ様な事考えて、同じ様に創っている」なるほど、するどい。
あっそうだ、エストモも芸術家なのでまた今度「太陽の塔の芸術性」について聞いときます。

3/5
最近よく歩いている。大阪の街を撮り歩いているのである。
ここ三日ぐらいは毎日10キロほど歩いているんじゃないかなー、歩きすぎでひざの裏あたりがちょっと痛くなってきた。これじゃあぶらぶら日記じゃなくて、とことこ日記だ。
しかしこのくらいで足が痛くなるようじゃいかんなー、カメラマンは歩いてなんぼ、ほんと体力勝負、鍛えなあきまへん。
大阪の街と言っても、そんなに広い範囲じゃないのだが歩いた中で何ヶ所か印象に残った場所がある。まず淀川河川敷。ここはとても美しかった。日の沈むちょっと前、風のきつい日、淀川の西側の河川敷を歩けば、白波のたつ川面でじっと風に耐えていた水鳥が僕の足音で一斉に飛び立つ。まず後ろに流され、そして横に飛んでいく。雲の流れは速く、すすきは大きく揺らされ、夕日を浴びて黄金色にぴかぴか光っている。今日の風は美しい。そんな風の中では梅田あたりのビル群が水鳥よりも小さく、すすきよりも低く見え、人間の創り出すものなんて、この自然に比べりゃたかがしれてると思い直すのである。夕方の河川敷は人をシリアスにさせる。
そんなシリアスな気分で今度は大阪の街の夕景を高いところから見下ろそうと思い、梅田スカイビルの空中庭園展望台に上がった。
しかし・・・・・むむむー・・・・・なんじゃ、このうっとおしいカップルの集団は!窓際をびっしりカップルがいちゃいちゃいちゃいちゃと占領していて、これじゃあ写真撮れんやないか!
クソー!それでもめげずに撮るのがプロやろ〜と思いカップルの前に出てパシャパシャやって撮り終わり振り向くと、なんやこのオッサン、ヨレヨレのジャンパーに髭まではやして、うっとおしいやっちゃなーと言うようなキツーイ視線があちこっちからびしびし飛んできた。なんやその目は、おじさんが一人で来たらあかんのか!カップルじゃないとあかんのか!はいはい帰りますよ、帰りゃいんでしょ、帰りゃ。
さっきの淀川でのすがすがしい気分は一気に吹っ飛び、現実の中に引き戻されたおじさんは、強い風に背中を押されながら一人家路についたのでした。

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