2〇〇4年のカメラマン平のぶらぶらフォト日記


12月25日

もうクリスマス。あと一週間で今年も終わります。
まあまあの一年だったのかなと思うのだが、今年はこれをやった!という記憶に残ることが少ない年だった。来年はどんな年になるか。しかし世の中、何事も「たまたま」だからな〜。

来年、私事の方はぶらぶら写真の白黒プリントに力を注ぎたいと思います。またいいプリントが出来たらホームページにもアップしていきますので、また見て下さい。

建築写真の方は力まず、自然体で撮って行きたいなと思うのです。



11月16日(火)

先週末からぶらぶら写真の暗室作業。今年春先から今までのベタプリントとその中からいいやつを六つ切りにプリントした。ベタ焼き枚数が100枚弱、カラーが30本ぐらいだったから、3月から11月までで130本ぐらいしか撮ってないことになる。1月15本ぐらいじゃいい写真は撮れないな〜

案の定ベタ焼きの中から、「これは是非ともプリントしなければ」というものが出てこない。あーあーと言う気持ちになり数枚のプリントだけで切り上げた。どーも数のせいだけではなさそうだが、何とかの鉄砲数撃ちゃ当るっていうことわざもあるので、これからも頑張って撮ろうと思うのである。

先週、高校時代の同級生Y君の設計した家の竣工写真の打ち合わせに行った。Y君は神戸に事務所を構え、一人で頑張っている。竣工写真は東京の写真家にいつも頼んでいるそうだが、その写真家の人は70歳ぐらいと聞いて、びっくり。僕もそのくらいまでは現役で頑張りたいと思うのだが仕事が来るかどうか、生きているかどうか、すぐに心配になった。



11月9日

 昨日は六甲アイランド方面にぶらぶら撮影。秋晴れの気持ちいい日だった。六甲アイランドには神戸ファッション美術館があり、その上にファッションライブラリーがある。ここにはたくさんの写真集や雑誌が置いてあり、洋書の数も多く内容が充実している。

巨匠から若手までの写真集を見ているとすぐに時間が経ってしまう。やはりいいのは昔の写真で、ウジェーヌ・アッジェ、ポール・ストランド、アルフレッド・スティーグリッツはいつ見ても唸らされる。僕が古いのか、ここで写真が完成してしまっているのか、うーん。

 帰りは綺麗な夕焼け。中央広場には散歩をする人や、帰宅を急ぐ人、公園で走り回る子供たちの、のどかな夕景が広がっていた。六甲アイランドは人が増え、いい感じの街並みになった。



11月8日

あーもう11月8日かー。久々の日記更新ですが皆さんお元気でしょうか?


相変わらず建築写真とぶらぶら写真の日々が続いています。
昨日は一日中パソコンで写真を修整というか調整というか、あまりしたくない作業をやってました。コンピューターの仕事は、目が疲れるし、腰は痛いし、息は浅くなるしで、あまり長い時間するもんじゃないなとつくずく思いましたが、コンピューター無しでは成り立たない世の中になったんだと実感。




9月12日(日)

今日はぶらぶら写真のフイルム現像18本。まーまー涼しくなったかなーと久しぶりに現像したが、暑いの何の。トイレでやるフイルムのリール巻きが手の汗で四苦八苦。まだ自家現像の季節には早すぎた。

雑誌で森山大道さんはフイルム現像500本や600本は1週間ベタでやったらできると書いてあったが、どうやったらできるのだろう?
僕の場合4時間ぐらいで18本、1日10時間やったとしても大道さんの倍はかかる。まー修行の仕方が違うか。

明日はプリントだが、30度の気温でクーラーなしの暗室は地獄。止めとこうかな。



8月22日(日)

最近は暑さに負けて、建築写真以外は撮影に出てない。ぶらぶら写真は暑さのため夏休みです。先日の撮影日に気温37℃だったのだが、クーラーのないマンション撮影。これで完全に暑さにでやられたみたいで、なんか元気が出ない。早く涼しくなってほしい。

アテネも熱い。
日本選手の活躍で睡眠不足!サッカーは残念だったが、まー相手がイタリアではしょうがない。野球にソフト、柔道に水泳。後半は女子レスリングに期待。まだまだ睡眠不足は続きそうです。




7月30(金)

今日は台風の影響で非常に風が強い。いい写真が撮れそうだったが、暑さで外室が億劫になり一日家でごろごろしていた。ラグビー精神はどーした?

昨日、イタリアのギャラリーのオーナーから手紙が届いた。BURABURA4を送っていたのだが、とてもいいとお褒めの手紙だ。いつかうちのギャラリーでエキシビジョンをやりたいと言うのだ。やっぱわかる人にはわかってもらえるんだなー!僕の写真は。

このイタリアのギャラリーはミラノから電車で1時間ほど北東に行ったベルガモからさらにバスで40分ぐらい行った所のポンテノッサという小さな町にある。

8年前に初めてここで個展をやらせてもらった。と言っても、このギャラリーでやったのはエストモさんで、僕はこの町の図書館と公民館でやったのだが、初めての展覧会がイタリアと言うことでとても嬉しくもあり、日本に帰ってこの先どうなることやらと不安も半分ほどあった中での個展だった。今考えると展示した「サイレント・ライト」と「HIROSHIMA」の写真は未熟やったなーと反省している。あの時はエストモさんに随分助けられた。

今回、もし「BURABURA4」が展示されることになったら自信を持って「僕の作品です」とポンテノッサのみんなに言えるだろう。

ポンテノッサ。イタリアの小さな町だがみんな優しく、街並みはヒジョーに美しい!エミリオ、フランカまた会いたいです。



7月27日(火)

久しぶりのぶらぶら更新ですが皆様お元気でしょうか?今年の夏は異常に暑いです。
ギャラリーに「BURABURA1」をアップしましたのでみてくださいね。

この暑い中、先週からずっと建築写真の撮影で毎日Tシャツは塩で白くなってます。撮影で暑いのはあまり苦にならないのですが、撮影後の仕事や暗室をやる仕事部屋にクーラーが無いので、そっちの方でへばっています。暑中見舞いのカードをプリントしたいのですが、なかなか勇気がわいてこずに延び延びになってしまっていますが、もうしばらくお待ち下さい。

しかし夏の暑さがさほど気にならないのは、高校時代のラグビー部の練習があったからだと思う。高校を卒業してもう25年ぐらいになるが、あの炎天下で走り回った夏のことを思えば39度も40度もへっちゃらなんです。

あのきつかった真夏の練習は今でもハッキリと覚えている。特にきつかったのは2年生夏の神辺高原での合宿。中途半端に涼しい(津山とあまり変らない気温)その高原合宿は初日から無制限のランパスで始まり、僕はその初日でつまずいた。

とにかく喉が渇いて渇いてしかたがなかった。今のように練習中にしょっ中水分を取ることが許されなかった時代、宿舎に帰って食事もろくに食えずジュースやお茶ばかり飲んでいたのだが案の定、腹を壊してしまった。

それからの合宿はヒジョーにきつく、1週間の合宿が終わった時には体重が6キロも減っていた。今考えても良くやったもんだとつくづく思う。

3年生の時の夏合宿はメッカ菅平。涼しくて涼しくて、サイコーのコンディションの中での最高の合宿だった。菅平はサイコーなのである。



7月6日(火)

最近は建築写真のほうが暇でぶらぶら撮影に毎日出ているが、とにかく暑い!梅雨はどうした?ビールがうまいから、まーよしとしよう。

今年はカラー写真でと言っていたが、どーも色に気を取られすぎるというか、撮っていて変な感じがしていたので、白黒に戻した。30本ぐらいしか撮ってないので、またカラーやりたくなったら撮り足して「ぶらぶらカラー編」を作ろう。

昨日、西宮浜で撮影をしていた。夕方の6時半ぐらいで夕日ちょっと前、海がキラキラ輝いて浜辺の草木も心地よい浜風になびいている中を一組の老夫婦が孫を乳母車に乗せ気持ち良さそうに歩いてくる。うーん、まさにシャッターチャンス!遠景からパシャパシャ、近づくとなんともいえないいい表情で歩いているので、「写真いいですか?」と思わずいってみると、「まーうれしい!お願いします」と言われ何枚か撮ったが、いい写真になりそうな手ごたえをもろに感じた。

「写真が出来たら送ります。ちょっと時間は掛かりますが」

「まーホントに!ありがとうございます。今日ね、主人が退院したところなんです。
 癌と動脈瘤で入院してたんですがね」

「癌と動脈瘤・・・・・」

ご主人は孫を見ながらニコニコ笑っている。なんともいえない優しい笑顔だ。

「なんか不思議やわー。こんな3人で撮った写真ほしい思うとったんです」

「いい写真になっていると思いますよ。なるべく早めに送ります」

人生の中でそう何回も見ることの出来ない「優しい笑顔」を僕はハッキリと見た。その笑顔を作り出した本当の苦しみを感じながら。

夕日と浜風の中であった物語のようなホントの出来事。



7月1日(木)

先週、キャノン写真新世紀から「BURABURA4」が返送されて来た。う〜ん今年もだめだったか。自分ではいい出来だと思っていたので悔しい。気を取り直してBURABURA5を頑張ろう。



6月15(火)

今日は和泉市のパチンコ店の撮影。今時のパチンコ屋はきれいになっている。僕も10年ぐらい前はパチンコ屋によく通ったが博才が無く、勝った記憶は乏しい。賭け事は10年前に卒業というか、退学というか、素質がまったくありません。それを悟るまでの授業料は高くついた。

撮影している横で、パチンコ店の従業員らしき若い男がアルバイトの人達に講義をしていた。「お客様はフィーバーが掛かる前から、あなた達のことを見ています」「お客様にはいつも笑顔で対応するように」などと、けっこう厳しくやっていた。黒いスーツ、髪はムースでテカテカ、このなりは全国共通みたいだ。

先週ぶらぶら撮影でJR朝霧からJR鷹取まで歩く。海岸線を行くと海の色はもう夏の色、須磨の海水浴場では海の家の建築が始まり、若者が楽しそうに遊んでいる。さすがに泳いでいる人は見なかったが、バーベキューにビーチバレーと夏はすぐそこまで来ているのです。



6月7日(月)

近畿地方は昨日梅雨入りしたというのに朝からピーカン。暑いし蒸すし、最悪。そして今年はいつもの年より紫外線がきつい感じがする。真夏が今から心配だ。

先週「BURABURA4」が完成して、キャノンに送った。今回はけっこう面白い仕上がりになって、僕的にはいいと思っているが、後は運でしょ、運。

そして先日からBURABURA5の制作。今年はカラーネガでやってみようと思い、カメラにはフジのスパー400が入っている。なぜ白黒か、カラーか?何て事をよく写真家がカメラ雑誌で語っているが、人それぞれ色々あるようだ。白黒は精神でカラーは肉体だなんてことを言う写真家もいる。

僕の場合は仕事ではなく私事のぶらぶら写真は経済的なこと(カラーの場合、すべて外注になるので高くつく)と、ほんとにいい写真は色なんか関係なく、色は単なる写真の付録みたいなもので、「あーこんな色だったのか」程度のものぐらいにしか考えていなかったので白黒写真をやっていた訳だが、実際はどうなのか?僕の思い込みなのかもしれないし、これから何年もぶらぶら写真をやって行く訳だし、1年ぐらいカラーをやって本当のとこを試してみたいという気持ちもあり今年はカラーなのです。

そのうち自前で建築写真もぶらぶら写真もカラープリントが出来る様になればいいと思うのだが、その設備は銀塩かデジタルか?技術の進歩は想像以上に早い。そういう技術について行こうと頑張ると、肝心なものが抜けそうでとても怖い。あまり欲張らず、カラーは外注かなー。

先週テレビですごい写真を見た。戦争の写真(長崎に原爆が落とされたときの)なのだが、僕が今まで見てきた写真の中で間違いなく1番のすごい写真だ。涙が自然に溢れる。「これかー」と頭をこん棒で殴られたような衝撃。

原爆が落とされた長崎の街をアメリカのカメラマンが撮影していて偶然出くわした光景。10歳ぐらいの少年が背中に死んだ弟だろうか、まだ乳飲み子を背負い、その子の火葬の順番を待っているという写真だ。今にも泣き崩れそうな顔。しかし、ぐっと歯を食いしばって必死に耐えている。そこからは戦争の愚かさ、惨たらしさが伝わってくる。そしてなぜか僕にはその少年が無性にかっこよく見えた。

写真が唯一動画に勝てるものそれは「瞬間」だ。まさにその事を証明して見せたすごい写真で、このシーンを動画でやったらその一瞬の少年の表情は見過ごされていただろう。やっぱり写真はすごいと思う反面、そのことを世に知らしめるテレビはやはりすごいな、とも思うのです。


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