2〇〇1年 5月のカメラマン平のぶらぶら日記
5/29 今年も阪神の優勝、いやAクラスの期待は梅雨入りまで持ちそうにもなく、せめて3年連続の最下位だけは脱出するように応援したいと思います。 本業の建築写真は竣工ピークを過ぎ、ぼちぼちと暇になってきました。そこで先週ぐらいから、またライフワークのぶらぶら写真に掛ける時間が多くなって、楽しいやら心配やらの今日この頃です。 先週は十三、京橋周りをぶらぶらしてきましたが、どちらも似たような感じの雰囲気の街で、もろ大阪というか、もろアジアと言った感じで、電線、電柱、看板、路地の独特な湿り、呼び込みのおじさん、昼間っからやけに客の多い立ち飲み屋、焼き肉やのおいしそうな煙の臭い、路上駐車の多さ、自転車の多さ、などなどアジアを撮ってるなーって感じです。これから暑くなってきて、歩くのがきついシーズンになりますが頑張って撮り続けたいと思います。 |
5/22 日曜日に大阪へぶらぶら撮影に行ってきた。 梅田から難波までぶらぶらぶらぶら撮り歩いた。日曜日の昼間の北新地は人影も少なく建物や路地は週末の疲れを癒しているかの様にのんびりと静かに横たわっていた。 淀屋橋から本町にかけてのオフィス街も静まり返り、その中で今橋の大阪倶楽部、備後町の綿業会館などの、しぶい建物が静かな街並みの中からぐぐぐ〜んと浮かび上がり、その存在感を際だたせている。 静かなオフィス街を気持ちよく過ぎ、一つ通りを越えて心斎橋のアーケード街に入るとそこはもう人の波、波、波で歩き方もぶらぶらから、さっさっさっさっに変わり個人行動がとれなくなり、もう人の流れに乗って前進するのみです。これはイカン写真が撮れないと思い、通りを一つ替えて裏道で難波方面に向かったのです。裏道では裏道で覗きとかヘルスの客引きのおじさんが頑張っており、「ちょっとだけ、ちょっとだけ話し聞いてーなー」と近づいて来るのを振り切り、みんな頑張ってるなーと思いながら歩くのでした。 難波ではやはり村野藤吾の大阪新歌舞伎座が目を引く。それと道頓堀ホテルの人の顔をした柱は笑ってしまう。さすが大阪である。 難波を過ぎ、日本橋を越えて通天閣まで行く。現在の通天閣は二代目で、高さ103メートル、東京タワーと同じ設計士が設計したのだそうだが、東京と大阪というライバル同士のシンボルタワーが同じ設計者と聞いてもなんか、それちょっと違うんじゃないって言う気分なんですが・・・・・ 梅田から通天閣、今日はここまで、と思ったのだが戎橋の袂の「キリンプラザ大阪」でマヤマックスという人の個展をやっていると先日撮影に行った住宅の施主さんから聞いていたのでちょっと寄ってみることにした。マヤマックスと言う人は「ポンキッキーズ」のアニメーションや原由子のCDジャケットを描いてる人で、とても売れてる絵描きさんなのです。 会場では、ガイコツや宇宙人のイラストがダンボール紙にさささっと描かれていたり、大きなキャンバスにボクサーやらパンダやらが描かれており、バスキア風とでも言うか、「いいか悪いかあんたが決めな」と言ったようなとても楽しい絵で、なるほど今の若い子にはうけてるんだろうなーと思いながら観たのでした。 マヤマックスの絵を観て思ったことがもう一つ、それは今年の木村伊兵衛賞を受賞した三人の女性写真家、長島有理枝、蜷川実花、ヒロミックスの写真とオーバーラップすることです。なにかつかみ所が無く、ふわふわとして、かわいらしい男性的な所があり、カラフルで、「いいねー」じゃなく「いいじゃん」といった感じで自分的で。「いいも悪いも、そんなもん、売れたが勝ちよ!くやしかったら売ってみな!」・・・・・ごもっとも。 会場を出てアメ村を通ってみたのですが、やっぱり今の若い子のそんな感じのそれに?ピッタリとあの感じがあてはまるのです。やっぱこの子達にはうけるわな〜。 でもいつも思うのだがアメ村にいるあの黒人は何なんだ?お前らちょっと恐すぎるわ! 梅田への帰り、今日撮った自分の写真を思い浮かべ、彼女たちの作品と思い比べながら、なにも言葉の出ない僕は夕暮れ迫る大阪の街を、パリのアッジェを思いながらぶらぶらとぶらぶらと歩くのでした。 |
5/15 先週のつづきを書こうと思ったのだが、まだまだ、まとまらないので、まとまり次第 ぶらぶら日記に書くことにします。期待してた人、もう少し待ってね。 日曜日に甲子園球場に阪神対広島のゲームを観に行ってきました。 これがサイコーに面白い試合で、なんと阪神、濱中選手の9回逆転サヨナラホームランという劇的な幕切れで甲子園は沸きに沸いたのでした。 久しぶりに行った甲子園はこれが最下位争いをしているチーム(最下位は横浜)の応援かと思うような凄い応援でした。内野席には空席が少し目立ちましたがレフトスタンドからライトスタンドはファンでいっぱい、9回、阪神の攻撃の時には阪神ファンのボルテージは最高に達し、ワッショイ、ワッショイともうお祭り騒ぎです。逆転サヨナラのホームランボールがレフトスタンドに飛び込むと前とか横に座っていた見ず知らずのおじさん達が握手を求めてきたり、抱き合ったりでヤッパ甲子園はいいな〜と思いながらニコニコで家路についたのでした。 |
5/8 連休中はずっとプリントしてまして、外に出て動くことが無かったので体重が3キロも増えてしまった。ぼくの場合、脂肪が付くのは顔と腹だけで、けっこうかっこわるい。早くもとの体重に戻さなくてはいけない。 昨日、イタリアで中田が大活躍したニュース、アメリカで新庄が2安打したニュースがテレビで報じられた。イチロー、佐々木、野茂も頑張っていてとてもうれしいのです。 嬉しくないのは日本のプロ野球。阪神が最下位なのは別にいつものことなのだが、巨人が勝ちすぎてまったく面白くないのである。巨人ファンは、このままでいいと思っているのだろうか?先日の新聞にプロ野球のテレビ視聴率が下がっていると書いてあったが、今の状況ではあたりまえの事だろうと思うのである。この状況を打破するにはスター選手にどんどん大リーグに行ってもらい一度日本のプロ野球を崩壊させ、巨人の自分勝手さを思い知らせねばならないであろう。と、これも新聞に書いてあったが、野球好きな僕は、まったく同感なのである。 連休中にプリントした少し遅れた4月のポストカードは岡本太郎の太陽の塔である。 3月に撮影したもので、とてもいいので今回のポストカードに使った。太陽の塔の事は前に一度このぶらぶら日記に書いたのだが今回も少し僕の思いを書こうと思う。 岡本が残したこの太陽の塔は高さ65メートルあり、黄金の顔、太陽の顔、黒い太陽の顔、と三つの顔を持っているが、万博開催中には地底の太陽の顔があったと説明看板に書いてあった。地底の太陽の顔を僕は見たことが無いのだが、いったい何処に行ったのだろう?まあ、そんな事はいいのだが、なぜ太陽の塔を僕がこんなにいいと思うのかを僕なりに分析する。 岡本のアトリエ、 太陽の塔の粘土模型の前で二人話している。 岡本「きみ、わかるかね、この塔の良さが」 僕 「はい。すごくいいと思います」 岡本「だろ!爆発しとるじゃろう、爆発!」 岡本は両手の全ての指を広がるだけ広げて、アトリエの蛍光灯にかざし、むっほっ、むっほっ、と笑っているのか、考えているのかわからないが確かに嬉しそうな表情でその指先を見つめている。 僕 「でも先生は、なんでこんな形のこんなものを作ろうと思ったのですか」 岡本「先生?先生はやめろ!先生は!わしゃーお前に何も教えてないぞ!バカにしてるのか!バカに!」 急に怒り出す岡本、目をピンポン玉のようにして怒りだし、テーブルをひっくり返し、床に転がっている、のみをビュンビュンと投げだす。 僕「あっ、危ない!やっ、止めて下さい!」 ひっくり返ったテーブルに身を隠しながら叫ぶ僕。 岡本「うおりゃ〜っ!おりゃ、おりゃ、おりゃ〜っ!」 テーブルにダーツゲームの様に次から次ぎへのみを投げつける岡本。最後に投げた千枚通しがテーブルから覗いた僕の耳たぶを貫く。 僕「いっ!」 鮮血が飛び散り千枚通しの重みで垂れ下がる耳たぶ。 岡本「うん?」 僕はたまらず千枚通しを耳たぶから抜こうとする。 岡本「またんかい!それいいかもしれない。うん、いい、すごくいい、うん、いいよ」 そう呟きながら岡本はスケッチブックにデッサンを始める。 岡本「抜くな〜、抜くなよ〜」 目を血走らせ、必死にデッサンする岡本。 岡本「むっほっ、むほっ」 耳たぶから血を流しながら、岡本の行動に痛さも忘れて立ちつくし震えている僕。 僕の語り「耳たぶがとても痛かった。だけどその痛み以上に僕は一人の芸術家に起きる魂と肉体と思考の分離に僕の全く知り得ない芸術の世界を感じ、選ばれし者への嫉妬と選ばれなかった者の安堵を感じたのです。」 つづきは来週・・・・・。 (これは、フィクションです。) |
5/2 世の中ゴールデンウイークです。旅行とか何も予定のない僕は、たまっている4月のポストカードを仕上げなければいけないのです。もう5月になったというのに・・・・・ プロ野球はタイガースが早くも失速ぎみでおもしろくなく、大リーグでも新庄の出番が少なくなるばかりでおもしろくない!何か面白いことは無いかなーと思っていたら、ありましたありました、柔道です。柔道! 日曜日に行われた体重差に関係ない本当の柔道日本一を決める全日本選手権大会で井上康生があのサイボーグみたいな篠原信一に優勢勝ちしたのです。これはちょっとすごいことなんですよ、皆さん! 柔道はご存じのように”柔よく剛を制す”と言いますが、やはり大きくて重くて力が強い選手の方がだんぜん有利なスポーツなのです。僕も小学4年から6年までの3年間、柔道をしていたので良く分かりますが、でかくて力の強いやつは、やはり強かった。どうにかして投げようと思うのですが逆に投げ返されたりするのです。小学6年生ぐらいになると体格の差も開きだし、2年間練習を積んできたのに、ついこないだ柔道を始めたばかりのでかいやつに投げ飛ばされ、何という不条理なスポーツなんだろうと子供ながらに思ったものでした。そんな柔道の世界、体重差に関係なく柔道日本一を決める日本選手権、最重量級以外での優勝はなんと27年ぶりだそうです。篠原との体重差30キロ、恐るべし井上康生。 井上康生で思い出すのは去年のシドニーオリンピックでの金メダルをかけた決勝戦前の彼の表情です。顔は岩のように動かず、豆腐の様にやわらかく、そしてとても、とても浅い目をしているのです。似たような顔つき目つきには、ボクシングのマイクタイソン、サッカーの中田英寿、野球の松井秀樹、などを思いつきます。 いい顔つきしてるなー、こりゃー井上が絶対勝って金メダル獲るなと思っていたら、やっぱり勝ちました。 これとは逆にとても深い目をした選手もいました。体操の塚原、ハンマー投げの室伏などがそうですが競技が始まる前にどうかなーと思っていたのですがやはり、いまいち力が発揮出来なかったようです。大試合の前にその選手がどれほどリラックスしているかいないかではなく、どれほど覚悟が出来ているかいないか。それが問題なのだと思います。 いっときますが、目が細いとか、大きいとかの問題じゃないですよ。目に力が入っているかいないかなのです。新庄もやはり大事なときに目に力が入ってるみたいで闘志むきだしといった深い深い目をしてるのでちょっと心配なのですが・・・・・・・ これはなかなかの発見だと思いません?皆さんも大一番では目の力を抜いてみてはいかがでしょうか? |
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